自然豊かな風景と茅葺き屋根の古民家で情緒あふれる和装の前撮りができるのが横浜市鶴見区にある「みその公園」の「横溝屋敷」です。和装前撮りのロケーションの定番というと日本庭園を思い浮かべることが多いと思いますが、「のどかな日本らしい風景の中で和装前撮りがしたい」というおふたりには、江戸時代から続く豪農屋敷「横溝屋敷」での前撮りがおすすめです。今回は「横溝屋敷」のフォトスポットやおすすめのポーズをご紹介します。

横浜市指定文化財第一号の「横溝屋敷」について

横浜市鶴見区獅子ヶ谷町にある「みその公園」の「横溝屋敷」は、江戸時代から続く豪農屋敷です。桃山時代の慶長年間より獅子ヶ谷村の名家である横溝家は、「旧横溝住宅」を横浜市に寄贈しました。その後、横浜市が表門、主屋、文庫蔵、穀蔵、蚕小屋の5棟を修復して1896年(明治29年)に指定文化財第一号に指定し、公開しています。「横溝屋敷」は江戸時代に建てられた同じ場所にそのままの形で残されていることが魅力です。大黒柱は500年前の裏山の木材が使用されており、広々とした畳の広間では高杉晋作が寺子屋として町の子どもたちに勉強を教えていたこともあったそうです。勝海舟や山岡鉄舟、明治天皇も訪れたという偉人に愛された歴史深い建物で、500年の想いや願いが息づいた空間で前撮りがかないます。

縁側で微笑む新郎新婦様

合掌造りの長屋門の前で和傘での前撮りが人気

「横溝屋敷」の横には水田があり、春夏は稲が青々として秋に稲穂が実ると黄金色に輝きます。その上をトンボが飛び交うのどかな里山の風景が広がります。「横溝屋敷」の入り口を進むと表門である合掌造りの長屋門がたたずみます。どっしりとして風格のある長屋門は江戸末期1847年に建てられたもの。門扉の左右は板床の上長屋と土間の下長屋になっていて、土間には薪置き場があり、屋根裏は物置として実際に使われていたそうです。江戸時代から使われていた息吹が感じられる歴史ある場所です。茅葺きの合掌造りが珍しい長屋門の前は人気の和装前撮りのフォトスポットです。緑が美しい木々や下草、こげ茶色の板と白壁の長屋門の前では、色味が際立つ赤系や金色、オレンジ色、ピンク系などの暖色系の色打掛け白無垢がおすすめです。おふたりで朱色や紫など色鮮やかな和傘を差したショットは印象的な前撮りになります。

長屋門の前で和傘をさす新郎新婦様

繊細な意匠の障子や桟が施された奥座敷

主屋は1896年(明治29年)に建てられた2階建ての建物で、1階部分が居住用、2階部分は養蚕が行われていました。主屋の中ほどには池のある庭園があり、中門で前庭から仕切られています。身分の高い訪問者のために造られた中門を通ると直接奥座敷に入ることができます。奥座敷には床の間の横に附書院があり、障子や桟に繊細な意匠が施されています。欄間にも優美な水面や蓮、千鳥といった模様が彫られているなど、一般的な豪農とは違った洗練された空間が広がります。

風情ある座敷で和装全身ショット

正座でのごあいさつショット

和室での正座ショットは和装前撮りで撮影したいというおふたりも多い人気のポーズです。年賀状や結婚報告ハガキに使用されるのでしたら床の間を背景にするのもいいですが、中庭の緑を背景に入れたショットにすると、彩りが鮮やかになりますよ。扇子にセリフ付きの扇子プロップスを作って和の雰囲気たっぷりの前撮りにすると、おふたりが楽しんでいる雰囲気がより伝わるのではないでしょうか。

正座でのごあいさつショット

縁側で中庭を眺めるショット

縁側はいろいろなポーズが似合う場所です。中庭を眺めながら新郎様が座って、新婦様が立ち姿にすると色打掛全体の模様がよく見えるショットになります。新婦様のワンショットも撮影しておきたいところです。新郎様が寝ころんで新婦様に膝枕してもらうような寛いだおふたりのシーンも残してみてはいかがでしょうか。

縁側で中庭を眺めるショット

落ち着いた雰囲気の逆光ショット

光が降りそそぐ中庭や向かいの建物を入れた逆光のショットも落ち着いた雰囲気たっぷり。陰影がカッコイイ前撮り写真になりますよ。茅葺き屋根の歴史ある建物や中庭のある空間は、どこか懐かしくタイムスリップしたような気分に。古き良き時代を思わせるのんびりとした空間での撮影は、情緒や深みのある写真になります。

落ち着いた雰囲気の逆光ショット

里山のような四季折々の草花が彩る風景

前庭や中庭などの敷地内では四季折々の草花がおふたりを彩ります。また、屋外の「みその公園」では春は菜の花、初夏はあじさい、秋は紅葉やススキが和装の背景に。お花やススキの穂に手をかざしてみるなど、豊かな自然を感じるポーズもぜひ試してみてください。里山のようなのどかな風景での前撮りを満喫してくださいね。

草花彩る和装新婦様ソロショット

空高く続く竹林でのスタイリッシュな前撮り

まっすぐに天高く伸びる竹林での和装前撮りも「横溝屋敷」ではかないます。葉の間から光がこぼれ、スタイリッシュな前撮りになります。竹の葉が風に揺れると葉ずれの音が聞こえ、風情を感じながらの撮影ができますよ。9月のお月見の時期には竹林に明かりが灯され幻想的な空間が演出される「竹とうろうまつり」が開催されます。通常「横溝屋敷」では夜の開園はありませんが、このイベントの時だけ夕方から夜にLEDの竹とうろうが灯されるので、幻想的な前撮りを撮影したいおふたりは要チェックです。

竹林でのスタイリッシュなロケーションフォト

5月は前庭でたくさんの鯉のぼりとの撮影も

「横溝屋敷」では4月下旬から5月5日まで前庭で大きな鯉のぼりがたくさん泳いでいます。年々増えて3~4mの鯉のぼりが80流ほどあるそう。美しい新緑と茅葺き屋根の主屋をバックに色とりどりの鯉のぼりが泳いでいる姿は圧巻です。江戸時代に将軍や武家に男の子が生まれたら旗指物や幟(のぼり)を立てて祝う風習があり、それを町人が鯉を旗にして始めたといわれる鯉のぼり。子どもの健やかな成長を願う鯉のぼりを背景にした前撮りも和装にぴったりですね。

みその公園 横溝屋敷 DATA

アンニュイな新婦様ソロショット

まとめ

「横溝屋敷」でのおすすめフォトスポットやポーズなどをご紹介しましたが、いかがでしたか?古民家らしいシックな色合いに洗練された意匠が施された空間で、落ち着いた雰囲気の和装前撮りをゆったりと撮影できます。また、庭園や竹林、さまざまな草花があり、四季折々に違った表情を魅せる自然がおふたりを彩ります。ぜひ和装ならではのポーズやアイテムを活用しておふたりらしい前撮りを実現してくださいね。