名古屋市東区の都心とは思えない静けさに包まれる日本庭園が「徳川園」です。四季折々の自然と美しい水の流れを背景に素敵な和装前撮りが撮影できます。今回は季節によってさまざまな風景がおふたりの結婚写真を彩る「徳川園」のフォトスポットをご紹介します。

「徳川園」の歴史について

「徳川園」は約7000坪もの敷地を有する池泉回遊式の日本庭園です。1695年(元禄8年)に徳川御三家筆頭の尾張藩二代藩主光友が自ら造営した隠居所が起源で、300年以上の歴史があります。格式の高い日本庭園に配された池にかかる橋や茶室、豊かな自然は和装の前撮りにぴったりです。春は桜、夏は緑、秋は紅葉、冬は凜とした空気に包まれて日本の美に彩られた前撮りになります。

光を受けて輝く徳川園の中心的存在の「龍仙湖」

「徳川園」の中心的存在である「龍仙湖」は海に見立てられており、水面の周りに見どころが配置されています。湖に浮かぶ島々や水際を渡る飛び石、巨石ともみじ、船小屋のある渡し場など、日本の自然を象徴的に凝縮したフォトスポットが随所にあります。常夜灯と柳を入れたアングルも人気があります。

常夜灯と柳をバックに徳川園で美しい前撮り

引きのアングルで庭園全体を入れながらおふたりが歩いているショット湖を眺めているショットがおすすめです。

徳川園で湖を眺めているショット

湖を渡る檜造りの「虎仙橋」や「西湖堤」

渓谷美を表現した「虎の尾」にかかる檜造りの木橋が「虎仙橋」です。橋の下に流れる渓流や下流の「龍仙湖」を望むことができます。初夏には新緑が青々とし、秋には赤く染まる紅葉が美しく彩ります。

お二人で仲良く見つめ合う新郎新婦様

「龍仙湖」に異国情緒を取り入れた「西湖堤」は、古くから文化人の憧れである景勝地の中国の杭州、西湖の湖面を直線的に分ける堤防を縮景したもの。橋や堤を渡る際に赤や白、紫などの和傘をさすとコントラストが美しい前撮りになりますよ。

水音が響く「龍門の瀧」や三段の滝「大曽根の瀧」

尾張家江戸下屋敷跡地にあった滝の石を使用して再現された「龍門の瀧」。1669年(寛文9年)の頃には当代随一と言われた庭園だったそうです。園内には渓谷を構成する「龍門の瀧」があり、渓流の飛び石の上を渡りきると「龍門の瀧」から落ちる水が増して石が水中に没するという趣向が凝らされており、園遊会に招かれた将軍や諸大名が楽しんだそうです。この遺構の石材を滝の布落ちや護岸、河床、飛び石などに用い、水量を急激に増す仕掛けも取り入れて「龍門の瀧」を蘇らせています。歴史に思いを馳せながら前撮りを楽しめるのでではないでしょうか。「大曽根の瀧」は「虎の尾」を登りきった場所にある落差6mの三段の滝です。上、中、下段の岩の組み方が異なり、それぞれの水しぶきの表情が違います。迫力のある水音が響く滝の前でダイナミックな和の前撮りになります。

趣き深い登録有形文化財の「黒門」前

総けやき造りの薬医門の「黒門」は、1900年(明治33年)に完成した尾張徳川家の邸宅の遺構で、武家屋敷の面影を伝える貴重な建造物群です。連続する脇長屋と塀を含めて登録有形文化財に認定されています。風格のある「黒門」前は人気の前撮りスポットです。門の柱や瓦が黒なので、赤や金、オレンジなど暖色系の色打掛がおすすめです。開いた和傘でおふたりを挟むと彩りがアップしますよ。

黒門で風格あるロケーションフォト

落ち着いた雰囲気の茶室「瑞龍亭」や「四睡庵」

尾張徳川光友の諡(おくりな)から名づけられた「瑞龍亭」は、尾張徳川家で重用された織田有楽斎を始祖とする尾州有楽流の様式を取り入れた茶室です。茶室から水面が輝く「龍仙湖」や「西湖堤」を眺めながらしっとりとした前撮りが楽しめます。梅や桃の木に囲まれた休み処の「四睡庵」では、隠れ里で休憩しているような落ち着いた雰囲気の前撮りがかないます。

落ち着いた雰囲気の茶室で景色を眺める新郎新婦様

緑豊かな風情に包まれる山のエリア

深山幽谷の山水画を思わせるような「虎の尾」。春はヤマザクラが、初夏には新緑が、秋にはもみじが美しくおふたりを演出します。

川の流れと緑が美しいお散歩ショット

近代和風建築の「蘇山荘」前

1937年(昭和12年)の名古屋汎太平洋平和博覧会の迎賓館であった和館を「徳川園」に移築したのが「蘇山荘」です。伝統的な和風建築の様式でありながら江戸期の邸宅とは異なる近代的な和風建築で、現在は喫茶室として活用されています。登録有形文化財である「蘇山荘」の前ではんなりとしたツーショットもおすすめです。

登録有形文化財の蘇山荘の前ではんなりショット

尾張藩主徳川光友ゆかりの「菖蒲田」

ハナショウブは古来より鑑賞されてきた花ですが、実際に栽培が行われた記録は1661~1673年(寛文年間)で、尾張藩主徳川光友が江戸屋敷戸山荘にハナショウブやカキツバタを植えて鑑賞したのが始まりといわれています。その後、江戸系、伊勢系、肥後系の3つの系統が確立され、「徳川園」の「菖蒲田」には江戸系を約50品種、1700株植えられています。6月上旬~中旬は気品あふれる紫や白、黄色のハナショウブとの前撮りが満喫できます。

徳川園でハナショウブが美しい和装前撮り

豪華な花姿が見事な「牡丹園」

大名が手がけた日本庭園によく植えられている牡丹の花。「百花の王」とも称される豪華で艶やかな牡丹は例年4月上旬~下旬が見頃に。「徳川園」の「牡丹園」には約55品種、約1000株の牡丹があり、満開になると圧巻ですよ。

四季折々に「徳川園」を彩る花や緑

「菖蒲田」や「牡丹園」以外にも「徳川園」はさまざまな花や木が美しい日本の四季を感じさせてくれます。気候により花の見頃は変わることはありますが、園内のいろんな場所が花と緑に彩られた前撮りのフォトスポットです。

春は梅や花桃、ツツジなど可憐な花々が鮮やか

2月中旬からマンサクの花が春の始まりを告げ、3月中旬からは山里林や茶室の側を梅の花や杏、桃の花が咲き競い、4月にはヤマザクラやシロヤマザクラが可憐な花を咲かせます。4月下旬になると「龍仙湖」周辺や山のエリアでさまざまなツツジが次々に咲き誇ります。春は花々に包まれた豪華絢爛な前撮りになります。

春の始まりを告げる美しい和装前撮り

夏はスイレンやハンゲショウが爽やか

5月中旬からスイレンが咲き始め、5月下旬からはヤマアジサイが水色や紫に色づきます。7月上旬になるとハンゲショウの葉の最上部の葉が白くなり見頃に。7月中旬以降はホオズキが可愛いですよ。爽やかな草花や緑あふれる木々と滝の水音に一服の涼を感じながら前撮りを楽しめます。

スイレンが咲く夏の前撮り

秋は色とりどりの紅葉やキンモクセイが華やか

秋になるとコムラサキシキブが紫色の愛らしい実をつけ、ハクサンボクも赤い実がたわわになります。9月中旬になると「菖蒲田」に彼岸花が赤い花を咲かせます。10月上旬になると小さなオレンジ色の花が無数に咲くキンモクセイの芳香が園内を包みます。「徳川園」の随所にもみじが植えられており、11月中旬~12月上旬になると紅葉と日本庭園が調和した見事な前撮りがかないます。

冬は山茶花や椿が艶やかな景色に

12月~3月はカンツバキや山茶花が赤や白、ピンクなど、冬の「徳川園」に彩りを添えます。蘇鉄や松もこも巻で冬支度をしている姿もこの季節ならではの趣きに。冬の花や風景、凜とした空気、青く澄んだ空が印象的な前撮りになります。

徳川園 DATA

徳川園での和装前撮りコラージュ

まとめ

和装を引き立てる花・緑・水・光に包まれる「徳川園」をご紹介しました。「日本庭園で撮影したい」というおふたりにぴったりのウェディングフォトスポットです。春夏秋冬どの季節も自然と調和した日本庭園で雅やかな前撮りをかなえてくれます。歴史ある空間で思い描いた前撮りを実現してくださいね。